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はじめに:なぜ狩猟免許が必要?
野生鳥獣による農作物被害や人里への出没が深刻化する中、「自分も地域の獣害対策に関わりたい」「有害鳥獣駆除の活動に参加したい」と考える方が増えています。
そんな中で必要になるのが、狩猟免許と猟友会への入会です。
この記事では、まず岩手県で狩猟免許を取得するまでの流れ・費用・注意点をわかりやすくまとめました。これから免許を取ろうと考えている方は、ぜひご参考ください。
狩猟免許の種類について
狩猟免許は、都道府県ごとに発行される公的な免許です。日本では現在、次の4種類があります:
免許名 | 使用できる猟具 | 主な対象鳥獣 | 年齢制限 |
---|---|---|---|
網猟免許 | 網(落とし網、はり網など) | 鳥類など | 18歳以上 |
わな猟免許 | くくりわな、箱わななど | イノシシ、シカ、アナグマなど | 18歳以上 |
第一種銃猟免許 | 散弾銃、空気銃 | クマ、シカ、カモ、キジ、イノシシなど | 20歳以上 |
第二種銃猟免許 | 空気銃のみ | 主に鳥類 | 20歳以上 |
猟友会に入りたい、狩猟についてのルールや知識を学びたい場合は、「わな猟免許」の取得がおすすめです。筆者もわな猟免許を取得しました。
岩手県での狩猟免許取得の流れ
ステップ①:スケジュールを確認する
令和7年度の第1回は、すでに申請受付が終わっているため、これから受ける方は滝沢市の岩手県立大学で行われる第2回、第3回を受けます。
次のステップで説明しますが、申請に必要な書類が複数あり時間がかかる場合もあるので、忙しい方は第3回の試験を受けるようにしましょう。
ステップ②:受験手続きを行う
次の書類と受験手数料*を申請受付期間内に、住所地を所管する広域振興局保健福祉環境部(岩手県盛岡市内丸11−1)に提出します。
なお、申請書等は広域振興局保健福祉環境部の窓口か、こちらのHPからダウンロードできます。
郵送での提出もできますが、修正が必要な場合の返送は有料で、時間もかかります。
そのため、窓口での提出の方がスムーズに済むのでおすすめです。
*網猟免許、わな猟免許、第一種銃猟免許及び第二種銃猟免許とも各1件 5,200 円(ただし、他種
免許所持者は 3,900 円)を、岩手県収入証紙で納付します。岩手県収入証紙は市役所や広域振興局で購入できます。
狩猟免許申請書
1部(受験手数料分の岩手県収入証紙を貼付する。割印はしないこと。)
写真(電磁的方法で記録されたものを含む。)
1枚(6か月以内に撮影した無帽、正面、上三分身、無背景のもの。)
なお、受験票に直接写真を貼付ける場合は、縦の長さ3.0cm、横の長さ2.4cmの写真で裏面に氏名及び撮影年月日を記載したもの1枚を使用してください。
スーパーなどにある無人の撮影機の場合は、免許証のサイズです。(費用は1,000円前後)
次の1~3に該当しない者である旨の医師の診断書(様式例による)
1部(発行後3か月以内のもの)
ただし、銃砲刀剣所持等取締法の規定による銃砲所持許可を現に受けている者は、当該許可に係る許可証の写しを提出することとし、医師の診断書を要しない。
- 統合失調症、そううつ病(そう病及びうつ病を含む。)、てんかん(発作が再発するおそれがないもの、発作が再発しても意識障害がもたらされないもの及び発作が睡眠中に限り再発するものを除く。)その他自己の行為の是非を判別し、又はその判別に従って行動する能力を失わせ、又は著しく低下させる症状を呈する病気にかかっている者
- 麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
- 自己の行為の是非を判別し、又はその判別に従って行動する能力がなく、又は著しく低い者
こちらは八幡平市立病院などで取得できます。(費用6,000円前後)
本人確認書類の写し
1部(運転免許証、パスポート等の顔写真付きのもの)
受験票
1枚(写真を貼り、氏名、受けようとする狩猟免許の種類、試験日程を記載すること。)
なお、受験票は、可能な限り厚紙に印刷してください。
注)試験期日の4日前までに受験票が届かない場合は岩手県環境生活部自然保護課(019-629-5371)又は申込み先にお問い合わせください。
受験票送付用封筒及び切手
1式
市販の長形3号又は洋形2号封筒の表に住所、氏名を記載し、110円切手を貼付すること。
返信用封筒及び切手(狩猟免状の郵送を希望する者のみ)
1式
市販の角形2号封筒の表に住所、氏名を記載し、朱書きで「簡易書留」と記載して提出すること。
併せて、返信用切手530円(180円+350円)を、封筒に貼付せずに提出すること。
(注意)「銃所持許可用」の診断書は、新様式(R6.4.1改定)のみ使用できます。
旧様式(H30.4.1改定)は使用できませんので、御注意ください。
ステップ③:予備講習会を受講する
受験手続きを窓口で行うと、予備講習会の案内を受けます。
初めて狩猟免許を受ける場合は、必ず受講してください。
狩猟免許試験は筆記試験と実技試験があり、自力でそれぞれ勉強するのは費用も時間もかかります。
予備講習会を受講することで1日で2つとも対策でき、試験の合格率もかなり上がります。
予備講習会は、例年、本試験の2週間前前後に行われるので、予定を空けて受講するようにしてください。
ステップ④:本試験を受験する
受験手続きと予備講習を行ったら、本試験を受験します。
本試験までに予備講習会で習った内容をしっかり復習してください。
実技に関しては、youtube等で「狩猟免許 わな 実技」などで調べると実技部分の復習ができるのでおすすめです。
試験結果に関しては、1週間以内に発表されます。

おわりに
狩猟免許というとハードルが高く感じるかもしれませんが、予備講習会でしっかり準備すれば比較的簡単に取得することができます。
また、八幡平市では新規の狩猟免許取得に補助金が出ますので、こちらもぜひ活用しましょう。
自分の農地や近所の方たちを守る活動の一環として、ぜひ狩猟免許の取得を検討してみてください。
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