八幡平市地域おこし協力隊の赤川です。
本年度は、昨年と比較し、6月から8月にかけて、市内でクマの目撃情報が増加しています。
山林の奥だけでなく、集落や田畑の近くでも姿が確認されるようになり、農業被害も発生しました。
特に、コーンや飼料ロールへの被害が広がっており、農業者にとって深刻な問題となっています。
この記事では、クマによる農被害の特徴と、農家の方や関係者の方にぜひ取り組んでほしい対策について解説します。
クマの出没状況と特徴
市内では、昨年の同時期と比較し、農被害が増えました。被害作物については下記の表を参照してください。
(R6年度6~8月は、報告された農被害が2件でした。)
トウモロコシ(スイートコーン、デントコーン) | 5件 |
家畜用飼料(牧草ロールなど) | 4件 |
はちみつ | 2件 |
リンゴ | 2件 |
ぶどう | 2件 |
いも類 | 1件 |
その他(養魚場など) | 4件 |
原因と対策
現地で確認すると、電気柵でしっかりと防除対策をしている農地が多かったです。
しかし、以下のような理由から、ツキノワグマに侵入されてしまう可能性があります。
- ✔ 24時間通電していなかったため、通電していない時間に侵入される
- ✔ 電気柵が雑草などに触れてしまい、うまく通電できていない
- ✔ 電気柵の一部が緩んでおり、そこから侵入される
- ✔ 電気柵の間隔が広すぎて、侵入されてしまう
(クマ対策の場合は20cm間隔で3段が目安)
すでに電気柵を設置している方は、もう一度上記のことを確認してみてください。

正しい電気柵のイメージ
また電気柵の周りや田畑は草刈りを行っているものの、周囲にある林との境界にある茂みの刈払いまで行っている方は少なかったです。
クマにかぎらず野生動物は、田畑に侵入する際は、一度近場の茂みに見を隠して周辺の様子を伺います。
そのため、そういった茂みの刈り払いを行うと侵入される確率がかなり減ります。
もし、クマに侵入されている場合は、イメージ画像の赤枠の箇所のような森と畑の間にある茂みの部分も草刈りを行ってみてください。

赤で囲んだ箇所の刈り払いを行います
まとめ
昨年に比べて、市内ではツキノワグマによる農被害が増えています。
ツキノワグマの防除対策は、電気柵の設置と周辺の刈り払いが基本です。
通電を行わない、ネットや鉄製の柵だと登って侵入される可能性が高いため、電気柵の導入を検討してください。
現在、八幡平市では電気柵購入に対する補助を行っています。こちらをぜひご活用ください。
また、すでに電気柵を設置している方であれば、通電の設定や、除草、周辺の刈り払いを実施し、ツキノワグマの侵入対策を行うようにしましょう。