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冬期に近づくにつれ、クマの動きが活発になってきています
11月の紅葉が終わりを迎え、岩手山にも冠雪が見られるようになりました。
登山等のアウトドア活動や、きのこ採りが一段落してきた一方、この時期に活発になるのがツキノワグマです。冬眠を目前に控え、エサを求めて山中や市内を動き回る姿が多く見られます。
八幡平市以外でも、盛岡等の市街地などで目撃情報が増えてきました。
この記事では、ツキノワグマの冬眠直前の行動パターンを解説していきます。
ツキノワグマの一年 ― 冬眠と活動のリズム
ツキノワグマは、春から秋にかけて活動し、冬の間は冬眠する動物です。
岩手県内では例年11月下旬から翌年4月頃まで冬眠に入る個体が多く、寒冷地ほど早く冬眠に入る傾向があります。
冬眠といっても完全に眠り続けるわけではなく、浅い眠りと覚醒を繰り返しながら、長い冬を過ごします。特にメスは、冬眠中に出産することが知られています。
冬眠場所としては、山の斜面にできた岩の割れ目や、倒木の下、斜面に掘られた巣穴などが選ばれます。外敵の少ない静かな環境を好み、雪が積もることで断熱効果が高まるため、クマにとっては過ごしやすい冬の寝床になります。

秋の終わりにクマが動く理由 ― 「高カロリー探し」
冬眠前のツキノワグマにとって、最も重要なのは「エネルギーを蓄えること」です。冬の間は食事を取れないため、この時期にどれだけ脂肪を蓄えられるかが生死を分けます。
そのため、秋の終わりから冬眠に入る直前の時期には、高カロリーのエサを求めて長距離を移動します。特に、ドングリやクリ、ブナの実などの堅果類(けんかるい)はクマにとって貴重なエネルギー源です。
しかし、本年度はこれらの木の実が不作と言われており、クマがエサを求めて果樹園、農地、そして市街地に出没します。
岩手県内でも、年間を通して果樹の被害や住宅地付近での目撃情報が増えています。
活動範囲は個体によって異なりますが、1頭あたり数kmから数十kmにも及び、山の斜面から谷、そして里山へと移動することも珍しくありません。冬眠前のこの時期は、クマが餌を求めてもっとも動く時期です。
冬眠前の行動パターン ― 活動時間と移動ルート
ツキノワグマは基本的に昼行性ですが、人間との接触を避けるため夜行性になる個体が多く、朝夕の薄暗い時間帯に最も活動します。
実際、八幡平市内では、11月に入り早朝の目撃報告が増加しました。
この季節のクマは、山の尾根や谷沿いを移動しながら食べ物を探し、時には数日間で広い範囲を行き来します。ブナやミズナラの実が豊富な年は山奥で過ごしますが、不作の年は人里に近い山裾まで下りてくる傾向があります。
秋から冬にかけてのこの行動は、ただの「徘徊」ではなく、エサを目的とした「冬眠準備」のため、いつも以上に食欲が旺盛になっています。

まとめと注意点
冬眠前の11月は、ツキノワグマが最も人の生活圏に近づく可能性のある季節です。
岩手県では例年、10月から11月にかけてクマの出没件数が増加する傾向にあります。
クマは基本的に臆病な性格で、人の存在に気づけば逃げることが多いです。しかし、不意の遭遇で子グマ連れの場合は攻撃的になったり、エサを求めて警戒心が薄くなったりします。普段の生活から、以下の点を意識するようにしましょう。
・クマ鈴やラジオなどで携帯し、人の存在を知らせる
・残飯や、クズ野菜などを外に放置しない
・新しい足跡や糞、爪痕を見つけたら速やかに引き返し、通報する
・出没情報をBearsで確認
また、ハンターにとっても11月は狩猟解禁期と重なり、山に入る機会が増える時期です。万が一の事故を控えるためにも、不必要な入山は控えるようにしてください。
八幡平市では、農家の方が電気柵を設置する場合や、市内猟友会に加入する場合に補助金を準備しています。ぜひご活用ください。
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